東京家庭裁判所 昭和59年(少)12573号 決定 1984年9月05日
少年 W・H(昭四一・二・一七生)
主文
少年を中等少年院に送致する。
理由
(罪となるべき事実)
少年は、
第一 A、Bと共謀のうえ、昭和五九年三月二日午前一時ころ、目黒区○○×丁目××番×号有限会社○○○一階店舗内において、C他一名所有の現金一〇万七、五〇〇円位及び無線機一台他一一八点位(時価合計約九万三、六〇〇円相当)を窃取し
第二 D、E、F、Gと共謀のうえ、同年五月一五日午前一時ころ世田谷区○○×丁目××番×号○○商店店舗内及び同店前において現金九万五、〇〇〇円及びレジスター一台他五点(時価合計四六、〇〇〇円相当)を窃取し
たものである。
(法令の適用)
各事実につき、刑法六〇条、二三五条。
(処遇の理由)
1 本件は、昭和五九年七月一一日、当裁判所が、強盗致傷により中等少年院送致決定をし、同時に短期処遇勧告をした少年の余罪である侵入盗二件で、犯行態様が悪質であり、被害額も多く少年の非行性が高く、かつ、非行要因も根深い問題性を含んでいることを推認するに足るものである。
2 少年の性格、能力、交友関係、家庭環境などの問題点は、上記決定書に記載したとおりであるから、ここにこれを引用するが、同決定の際、同時にした短期処遇勧告は少年が充分反省していると認めたためであるところ、少年の審判廷における供述経過を検討すると必ずしも充分反省しているものとも認め難いことが判明し、同処遇勧告は、相当でなかつたことが明らかになつたので、改めて中等少年院送致をすることとする。
(なお、本決定が確定した後に、上記決定は保護処分競合を理由に取消す予定である。)
よつて、少年法二四条一項三号、少年審判規則三七条一項、少年院法二条三項により、主文のとおり決定する。
(裁判官 多田周弘)